建てることがゴールではなくスタート

日本人の独特な間隔かもしれませんが、家を建てるということはゴールのように感じる方がいらっしゃいます。

欧米では家を建てることは新しいステージの始まりのようにとらえます。

家は人が住まなければ劣化のスピードは速まります。それほど家と人は密接な関係を持っています。
家を作るときには、そのメンテナンスのしやすさや方法を考えていた方がよいのです。

日本の家の寿命はせいぜい50年から100年もあるのでしょうか?欧米では築100年くらいは当たり前です。国営団地ですら築100年以上は普通です。300年、400年の家は普通によく見かけます。
400年前と言えば日本は江戸、明治あたりなのでしょうか。その頃の家がもしあるなら資料館などの施設です。

欧米の感覚は家はその時代のオーナーたちが自分たちの住みよい環境へメンテナンスを繰り返し引き継げるものなのです。
育てる目的を持つ家と、建て替えることが当たり前の家の差がそこにあります。

立て替えることが当たり前の日本の家は工業製品で作られた素材に包まれ建てたときが100点の家。
そして住みながらその点数は落ちる一方です。夏の暑さや湿気に対応するために通気を重視に考えられた家は人が窓を開け手入れをしなければよどんだ空気と湿気に耐えられず激しい劣化を起こします。

予算を考えると材料費は押さえたいところですが、ダメージは大きく起こることがありいつか来るメンテナンスの金額を考えると驚くほどになる場合が。家づくりの際にはメンテナンスについて大工やスタッフとも話し合ったり、時にはできるところをメンテナンスの練習がてらにやってみるなんていいかもしれませんね。

日本には日本の風土に対応した家づくりがあり決して欧米スタイルが全力でよいとは言い切りませんが、大きな金額を使って人生をかけた支払いになるなら20年後、30年後を考えた家にすることは必須です。

寒暖差に対応し、耐震や防湿をを兼ね備えた断熱材を取り入れたり、無垢の素材など寄り添って育てられる材料を使うことで家は代々引き継げるお城になれるのです。

低コストで初期投資を抑え、後にリフォームで同額レベルのメンテナンス工事を行う方はよくいらっしゃいます。
しっかりとした人生計画の上で何が低コストなのか?ということは広い視点でとらえることが大事です。

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