断熱材を考える

数年前から外皮計算をして性能報告する義務が法律で決まってから設計士が言う前に自分たちでも話せるように一通りに外皮計算を自分たちでも行います。

ふと、思うわけです。「スーパーウォールが一番なのか?」

そこで熱伝導率0.024程度で硬ウレタンフォームの断熱材をいくつか調べてみた。

まずスーパーウォールのスペックとして厚さ100ミリ、熱伝導率0.024、耐震性能、防音性能を考える。

熱伝導率0.024というのは断熱材の中でもトップクラスを誇る。真空断熱材の次くらいかな。

耐震性能は断熱材の背中に構造用パーティクルボードという板をくっつけていることで壁量4.3倍という状態を作りだしている。そんなこんなで地震の揺れを最大半分以下にしてしまうという性能を持つ。

そして防音性能は、80デシベルを50デシベル程度まで小さくできる。交差点の真ん中で聞こえる音を冷蔵庫のモーターくらいにまで小さくするというもの。

これらはボードだけの機能の話で、実際にはそれを施工する大工や換気システムなど一緒に加わる仕組みがある。

ちなみに同等のパネルを集めても価格的には同じくらい。むしろ安い。。。がスーパーウォールのように耐震や防音の力はそこまで期待できない

大工たちは標準が0.3以下のC値でボードを組み合わせる。これは名刺サイズ以下程度の隙間しかない気密
換気システムはそのため必要で、これが第1種の場合は熱交換型で空気中の湿気を除去する。結露で壁が中からダメージを受けることはない。

そこに遮熱性能を持つダブルやトリプルガラスのアルゴンガス入りサッシが装備され、K2仕様の断熱と気密対応型玄関ドア

その他負荷断熱応援団ということで熱橋担当カネカフォーム 部屋から逃げる熱対策担当で床はフクフォームが担当、天井には火山出身のロックウールが担当する。もちろん屋根側にも銀のシートでがっちりカバーしているスーパーウォール小屋パネルの皆さんが広がる。

外壁には遮熱塗装で仕上がった金属サイディング、屋根には粘土瓦の耐久性に並ぶ勢いのガルバたち。こちらは太陽光パネルとの相性も良く地震時にも頭でっかちにならず倒壊が瓦より起こりにくい。

これ以上ない強者ぞろいのメンバーで構成された高性能住宅の主軸はやはりスーパーウォールだろう。そんなメンツで作られた高性能住宅のUa値は平均して0.42以上G2.5という数値。G2でおおむね13度以下にならない家というものなのでそれ以上。

おおむね13度以下にならんとは何ぞやとなるだろう。外が5度だろうが1度だろうが、13度以下になりえないほどの断熱性能がUa値0.42、レベルでいうとG2ということなのだ。ZEH≦G1≦G2≦G3なのでZEHをクリアするは当たり前ということだ。

おおむね13度以下にならないとはもちろんエアコンの力は頼らずなのだから、エアコンははりきって全力を出す必要はないことになる。ホットカーペットだの電気毛布だの脱衣室暖房だのといったもろもろのあったかグッズはメルカリで売り飛ばしてもいいと思う。

初期投資という意味では確かに高額だ。しかし破格の燃費の良さ、長く一緒に暮らす相棒という意味では昭和の車とハイブリッド車ほどの違いがある。数十年後年老いてからこたつから出られず、ホームセンターで買った断熱材を貼ったり、家の中なのにダウンジャケットを着るような生活をしながら過ごしリフォーム代やメンテナンス代を出してそこからローンを組むか、寒暖差がなくものを増やさずに済む生活をずっと続けていき、最低限のメンテナンスで済ませられるその20年後の合計はほとんど変わらない。

それならどのように生きたか、どのように過ごしたかがこれからの新築に求められて当然だろうと思う。

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