ドイツの床は一円玉を削る

ここ数年、江口工務店ではドイツの床パラドアという商品を使うことがよくあります。
ドイツ語だとパラドーという発音でしょうか。スペルは『PARADOR』となります。
パラドアは一見木材のフローリング材に見えますが、厚さは6ミリ程度で重さは1200mm×220mm1枚で2.5キロもあります。

まるでそれはウルトラマンのような密度。ウルトラマンが人間のサイズになると300キロの男という比率なんですって。

話はそれましたがなぜそんな質量を持っているのかというとパラドアが木材ではなくほぼ石だからなのです。

一見木材のようなデザインなのですが塩化ビニールフローリングに属し、塩ビをつなぎにして石灰石で作られた板です。

普通の塩ビとどのように違うのかというと床暖房に対応できる能力を持ち、衝撃にも傷にもとんでもない強度を持っています。

なぜそんな強さを持っているのかというと、パラドアがドイツ生まれであることと関係しています。

日本とは違い、外履きと室内履きがあいまいで泥や石を室内に持ち込んでしまう暮らしは簡単に床を傷つけます。そして以前ブログの中でもご案内しましたがメンテナンス文化を持つ西洋ならではのリフォームしやすい板の要素をもっていることも加わってパラドアは本物の無垢板より安価で強く張替えの手間が楽だということでドイツ人の心をつかみました。

本物の木ではないということにも妥協を許さないデザイナーたちは本物をモチーフにいくつもの木目のデザインを作りリアルな再現にこだわってよくある印刷のフロアー材のようなパターンに見えにくいよう努力されてあります。
5層構造でデザインフィルムの上には強烈な耐磨クリア加工とUV加工の層がかぶさっているので無敵です。さすが印刷機発祥のドイツ!色を守る方法にこだわりが感じられます。

ちょっと見ただけではそれが石だとわかりません。

木の温かみをかもしだしながら石だったころの強さを含み、防音・防水効果もあります。

しかもワックスフリー!パラドアはビスも接着剤も使わないので施工のスピードも速く、糊の匂いがしません。

そんなパラドアはまだ日本へやってきてそんなに長くないのです。ちょっとまだ珍しいくらいなので個人のお宅をすると珍しい板だねと言われます。

タイルや畳とも違和感がなく組み合わせることができてこれからどんな風に広がっていくのか楽しみな床材です。

脱衣などの水回りにもおすすめです。関東や関西では店舗でよくつかわれているようです。

確かにこの性能だとそうなるでしょうね・・・

この板を爪でガリガリと削ってみると、爪の方が削れます。
ということはワンちゃんたちの爪で傷つくことがないですね。
試しに1円玉で削ってみると、1円の方が変形します。元は石ですからそうでしょうね・・・

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